「七ツ梅酒造」について  

令和2年3月
長南 州子(深谷市在住)

  深谷市の旧中仙道沿いにある七ツ梅酒造は、元禄7年 (1694年)に近江商人の田中藤左衛門が創業以来300年の歴史を持つ老舗蔵元でしたが、2004年に廃業いたしました。「清酒七ツ梅」は、「剣菱」「男山」と共に江戸時代を代表する銘酒の一つでした。  
  深谷の七夕祭には街道沿いの商店が笹に飾りをつけるコンテストがあり「七ツ梅酒造」はいつも金賞をとっており、町の人は七ツ梅の飾りを見るのが楽しみの一つでした。
  今日では、「まちおこし深谷」が歴史的文化的な施設として保全管理を行っており、母屋、店蔵、精米蔵、釜屋、レンガ煙突が残り、西蔵は深谷シネマ(名誉館長は大林宣彦監督)になっております。
  私も深谷花仲間の時に草取りを行なっておりました。作業が終わり帰ろうとしましたら、助監督の方が走って来て「今取った草を元の所に戻して下さい。映画の撮影に必要です。お願いします」とのこと。折角きれいにしたのに又植え直しです。
  今もロケがよく行なわれています。  旧七ツ梅酒造跡がふっかちゃん横丁として、深谷シネマ、貸しホール、書店、カフェ等16のレトロなお店に様変わりして、賑わっています。  
  七ツ梅の名前はいつまでも深谷の人の心に残る事と思います。県人会の皆様も是非お越し下さい。
  

※七ツ梅酒造跡 深谷市深谷町9-12
  新しい一万円札の肖像として、また再来年のNHK大河ドラマで生涯が描かれる深谷市出身の渋沢栄一翁の影響もあり、市の観光客数が7倍になったとのことで大変喜ばしく思っております。