ハイキングクラブの琵琶湖めぐり

 
令和3年12月
西川 雄二(さいたま市在住)
  浦和のハイキングクラブで山歩き、町歩きと飲み会などの交流を楽しんでいます。日頃から滋賀県出身であることを喧伝していますので、琵琶湖一周のウオーキングコースがあることを知った仲間から、これを計画するよう要望されました。一周するには二百数十キロあり、あまり面白くない個所もありそうでためらっていましたが、良い所取りで歩き、近くの名所に立ち寄るプランならできそうだと、一回3泊4日の琵琶湖めぐりをはじめました。
  初回は令和元年の秋、湖南。京都から比叡山を超え、坂本に下り穴太積み の町並みや唐崎のあたりの浜辺を歩き、三井寺近くの取り入れ口から南禅寺 近くの蹴上インクラインまで琵琶湖疎水を歩きました。銀杏の紅葉が見事で、 明治の近代化遺産に感心しました。
  2回目は令和2年秋、湖北。初日は木ノ本から奥琵琶湖畔の道を塩津まで 歩き、翌日は高月の観音の郷から木ノ本へ歩きました。鶏足寺の紅葉が素晴 らしく、雨森芳洲庵では休館日にかかわらず開館していただき、朝鮮通信使と芳洲の事蹟を教えてもらいました。
  三日目はリフトで賤ヶ岳に登り、余呉湖に下りてJRで今津へ。  四日目は今津から松並木の湖畔を途中JRもまじえてマキノへ、さらに桜の頃を想像しながら海津大崎の手前まで歩きました。
  3回目は令和3年春、湖東。米原から近江鉄道で豊郷へ。伊藤忠兵衛旧宅などを訪ねた後、信楽高原鉄道で信楽へ。大きな登り窯や朝ドラのロケ地近くの窯元を見学。
翌日は近江八幡、手こぎ舟で葦が茂りのどかな自然が残る水郷めぐり。 八幡山から町並みや湖面を見下ろし、八幡商人を育んだ八幡堀、豪壮な 商家が並ぶ整然とした街並みを歩きました。
  三日目は両浜商人の柳川から三津屋まで湖岸の松並木を歩きましたが、中間の石寺という集落は私が17歳までの15年間を過ごしたところで一種の環濠集落ですので案内しました。
彦根城内のわが母校前から、玄宮・楽々園も案内しました。            
四日目は安土城を隈なく歩いた後、観音寺城にも向かいましたが、かなり手ごわそうなので入り口までにしました。
  4回目は令和3年の晩秋に、積み残した湖西の堅田、近江舞子、白髭神社などを歩き、今津から竹生島、更に長浜に渡り、湖東三山の紅葉狩りと五箇荘の町歩きで締めくくります。
  毎回好評でしたが、私にとっても知らなかった木ノ本・高月あたりの湖北、大津から北側の湖西、湖東の育ちなのに足を踏み入れたことがなかった近江八幡の魅力など多くの発見がありました。何より現在住んでいる埼玉の仲間の皆さんとわが故郷を結ぶことができたことがとてもうれしく、やって良かったと思っています。