「 夢  叶 う 」

 
令和3年11月
佐橋 哲隆(さいたま市在住)
  講道館・全日本柔道連盟が主催する、「令和3年全日本形競技大会」に出場が決まり夢が叶いました。 私の年齢や体力的にも今回が最後の機会と考え思いきって挑戦しました。  
  大会は毎年1回講道館で開催されますが、各種目(形の種類)とも全国の地区予選を勝ち抜いた地区枠10組、全国枠3組、推薦4組の計17組(34名)が出場できます。講道館柔道には、投げの形・古式の形など全部で7つの形があり、私は全国枠の古式の形に出場します。 古式の形は、嘉納治五郎師範が講道館柔道を創始される以前に学ばれた柔術起倒流が、技術的にも形の理論においても精神の修養上も非常に有効適切であると認められ、概ねそのまま遺されたものです。古式の形は、往時の武士が甲冑を身に着けた鎧組打の投技を主としたもので、表14本裏7本の計21本から組立てられているものです。表は心を平静にして莊重優雅、一挙一動に攻撃防御を正確にし、裏は敏速果敢に動作し、柔道における攻防の理を発揮した深淵な形です。(教本引用)
  私が柔道を始めたのは中学の13歳、79歳の今も生涯現役を目標に修行中の身です。
  2010年の夏に先輩から古式の形を習い始めて興味が湧き、同年12月から講道館において古式の形を稽古研究している「口伝会」と言う先生方の団体に入会させてもらいました。そして日本に3人しかおられない十段の醍醐敏郎先生に師事しました。(先生は2021年10月10日に95歳で御逝去されました 合掌) 「口伝会」は毎週月・木の2回開催され、私も一つ年上の先輩が投げ役の取、私が受のペアを組んで稽古に励みました。その甲斐あってか埼玉県代表として関東大会に出場したり、年1回開催される全国高段者大会で演武させてもらったりしましたが、全国形競技大会への出場は夢のまた夢でした。先輩も年齢や体力の限界を受け入れ、2年前に私とのペアを解消し、新たに19歳年下の後輩が受、私が取をするペアを組み、コロナ禍で口伝会が休みでも、後輩の稽古場である幸手市武道館に毎週木曜に稽古に通い、先輩の指導を受けながら精進しました。
  そして全国枠予選会に出場してなんとか合格し、全国大会に駒を進めることができました。コロナ禍で開催が延期中の大会が、2022年2月6日開催と決まりました。この間腰痛(ヘルニア・狭窄症・骨盤の歪み)がひどく、稽古ができない時もありましたが、大会延期が幸いして檜舞台を夢見ています。 なんだか自慢話になりましたが、年齢にも負けず元気に頑張っていることを投稿しました。