翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~
 
山田 正(近江八幡市出身 川口市在住)  
  私は車に乗ると必ずNACK5をつけます。埼玉のFMラジオ放送局です。周波数が5MHZ で「ナック・ファイブ」の語呂合わせで付けられた名称です。  11月1日いきなり大野元裕埼玉県知事がラジオで「11月14日は埼玉県民の日です。その日は県庁を開放して様々なイベントを開催します」と肉声で迫りました。もう一つ驚いたのは最後の方で「11月23日(標題)の映画が公開されます。滋賀県の風景も出てきます。是非見て下さい」とPRされました。先日テレビで滋賀県知事と埼玉県知事の前で主催者側が両県をおちょくってごめんなさいと謝罪する場面を見ていただけに、滋賀県知事がナック5に、埼玉県知事がびわ湖放送に同時に出演すれば宣伝効果が倍増したのではないかと思いました。最後に「両県には県人会組織があります。是非ご入会を検討してみて下さい」と結んでくれれば移住にもつながり最高だったのにとも思いました。  
  「埼玉県人会」は東京に事務局があり、創立は大正2年で初代会長は渋沢栄一です。 今の会長は12代目で元日本生命の社長です。日本生命は滋賀県が発祥の地です。 「埼玉県人の知徳を進め、人格を高めて社会文化の向上発展に寄与する」が目的です。 新納前事務局長は数回オブザーバーで参加していますが歓迎されたそうです。
『埼玉往来』という会報が今も送られてきます。少子高齢化で会員数が減少するのはどこも同じ ですが、所沢にある西武鉄道が入会した記事が載っていて「先を越された」と西武バスを常用 している我が会としては悔しい限りです。
   標題の映画の中に行田市の田んぼアートが出てくるらしいです。4種の種モミを播いて稲で 絵を描くのは大変な作業です。11年前に「のぼうの城」という映画が制作されて数年前埼玉県 内で上映されていました。300人程しかいない忍城(おしじょう)を石田三成率いる2~5万人でも攻略できなかった史実に従って作られた映画です。  
  城主は里に出てきては領民や百姓と気さくに話して、裏では「でくのぼうの城主」と揶揄されていました。本人には「のぼう様」と呼んでいました。私も家では「との」と呼ばれています。決して尊敬の意味ではなくて「外では100点かもしれないけれども家では零点」と言われ、「ばかとの」の「ばか」を消して使っているだけです。 その城主がいざと言う時に頑張るところがこの映画の面白いところです。  
  石田三成は彦根・佐和山城主で関東では不人気ですが、最近若い女性にフアンが増えているとも聞き、少し心が和みます。  
  毎年発表される『全国県別魅力度ランキング』では大都市東京の北の寒村埼玉や第2の首都大阪の北の寒村滋賀は首都に光が当たりすぎで眩しくて隣県が見えなくなるものです。偏見に耐えて自分から光を発し続ける事以外に方法はありません。  
 『観光』は光を見るのが目的です。『生活』は土に根ざす事から始まります。