“心に残っている言葉”
 
令和5年6月1日
蓮田市在住  坂口雅司
  私は昭和27年生まれの71歳です。今まで失敗をして深く落ち込んだ時が何度もあったが、それに耐えて乗り越えてきたことを考えると、満足な人生であったと思っています。その支えになった信念ともいえる言葉は
“性格は変わらないが、行動を変えることは出来る”
であり、今でも人生設計の大きな糧になっています。
  学生時代から社会人初期までは、おとなしい性格で、何事にも消極的で自主性に欠ける人間でした。学校の先生や会社の先輩から“もっと積極的にやらなきゃ”といつも指摘されていました。私は国語が大の苦手で、本を読まない、作文が苦手、人前で話すのが大嫌いでした。
  しかし、入社後10年ぐらい経って“このままではダメだ。何とかしたい。自分を変えたい。”と思っていた時に、会社の上司から“自分は、学会や発表会に出たときは質問するようにしている。質問するときは発表者の内容をよく聞かなきゃならないし、質問内容を上手くまとめなければならない”と教えられたのです。このことが私にとって大きなアドバイスになったのである。初めは大学の先生や競合他社の研究者が大勢いる中で手を挙げて質問することに勇気がいるし顔が真っ赤になったのであるが、回を重ねる内に慣れてきて、多くの人から声をかけられるようになりました。これをきっかけに自分自身が積極的な行動に変わっていったのが自分でも分かりました。馬鹿な質問をすることができないので分からないことや知りたいことはすぐに調べて理解し、他人の話をよく聞くようになるとともに、自分でも学会発表するようになりました。初めのうちは苦痛でしたが、徐々に楽しみに変わっていきました。
   “出る杭は打たれる”という格言があるが、
“出ない杭は放たらかされるんだ。どうせなら打たれて何回も出たほうがよい”
という考えに変わったのである。
  5年前に北海道利尻島で昆布干しのアルバイトを経験し、今はネギ栽培の仕事を4年間続けている。アルホラズムの会の幹事を務めウズベキスタンの日本語を学ぶ先生や学生さんに日本語の本を無償で送ったり、町の自治会のボランティア活動や小学校の将棋クラブの指導を引き受けたり、会社OBの副会長を務め多少なりとも社会に貢献できることを喜びにしている。更に、町内の人や友人とゴルフに行ったり、家内と旅行したり、また浦和や大宮の囲碁クラブにも入っている。中でも埼玉滋賀県人会での麻雀はこれ以上ない楽しみである。
心身共に健康であるために努力すれば自分で出来ることには積極的に入っていき、多くの人とコミュニケーションを取り楽しい日々を送っています。